1杯の原価に含まれるもの
ドリンクの原価とは、1杯分に使う材料と消耗品の費用です。コーヒー豆、ミルクや生クリーム、シロップ、砂糖、カップ、フタ、マドラーなど。これらは変動費で、1杯売れば使い、売れなければ使いません。
家賃、人件費、水道光熱費、税金、カード手数料、マシンのメンテナンス費は1杯の原価には入りません。これらは固定費や経費として別に管理し、販売価格と原価の差額から支払います。以下ではまず材料だけの原価を計算し、そのあとで固定費が1杯ごとにどう乗ってくるかを見ていきます。
原価の計算式
レシピの各材料は同じ考え方で計算します。1kgまたは1Lあたりの価格を1000で割り、1杯に使うグラム数またはミリリットル数を掛けます。それを合計したものが1杯の原価です。
- コーヒー豆:1kgあたり25米ドル ÷ 1000 × 18g = 0.45。
- ミルク:1Lあたり1.20米ドル ÷ 1000 × 200ml = 0.24。
- カップ、フタ、砂糖、マドラー:0.15。
- 合計:0.45 + 0.24 + 0.15 = カプチーノ1杯0.84米ドル。
エスプレッソ、アメリカーノ、カプチーノ、ラテ、ラフ、フラットホワイトの原価
計算ツールの初期値を使った6種類のドリンクの計算例です。豆は1kgあたり25米ドル、ミルクは1Lあたり1.20米ドル、カップと小物で0.15米ドル。ラフ(生クリームとバニラシュガーで作る、ロシア発祥のコーヒードリンク)には、乳脂肪10%のクリームを1Lあたり4米ドル、バニラシュガーを0.05米ドルと仮定しました。すべてテイクアウトの想定です。分量と販売価格は例であり、基準ではありません。
例:テイクアウトのコーヒードリンクの原価(米ドル)
| ドリンク | レシピ(例) | コーヒー | ミルク・クリーム | カップ・その他 | 原価 | 販売価格(例) | 原価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| エスプレッソ(ダブル) | コーヒー18g | 0.45 | — | 0.15 | 0.60 | 3.00 | 20.0% |
| アメリカーノ | コーヒー18g + お湯 | 0.45 | — | 0.15 | 0.60 | 3.50 | 17.1% |
| カプチーノ | 18g + ミルク200ml | 0.45 | 0.24 | 0.15 | 0.84 | 4.50 | 18.7% |
| ラテ | 18g + ミルク250ml | 0.45 | 0.30 | 0.15 | 0.90 | 4.75 | 18.9% |
| フラットホワイト | 20g + ミルク120ml | 0.50 | 0.14 | 0.15 | 0.79 | 4.75 | 16.7% |
| ラフ | 18g + 乳脂肪10%クリーム150ml + バニラシュガー | 0.45 | 0.60 | 0.20 | 1.25 | 5.50 | 22.7% |
ラフの「カップ・その他」はカップ0.15とバニラシュガー0.05の合計です。価格はすべて仮定です。
原価率と1杯あたりの粗利
原価率だけを見るとラフは一番効率の悪いドリンクに見えますが、1杯あたりに残るお金は最も多く、5.50 − 1.25 = 4.25米ドルです。ダブルエスプレッソは2.40米ドル。家賃や人件費はパーセントではなく金額で支払うので、両方を見ましょう。原価率はドリンクの原価が上がってきたことに気づくために、1杯あたりの粗利は何をおすすめするか決めるために使います。
マークアップ率と原価率の違い
マークアップ率は(販売価格 − 原価)÷ 原価 × 100、原価率は原価 ÷ 販売価格 × 100 で求めます。原価0.84米ドルのカプチーノを4.50米ドルで売ると、マークアップ率は約436%、原価率は約18.7%です。目標の原価率から価格を決めるには、原価を原価率で割ります。25%なら 0.84 ÷ 0.25 = 3.36米ドルです。
原価0.84米ドルのカプチーノの原価率、マークアップ率、販売価格
| 原価率 | マークアップ率 | カプチーノの販売価格(米ドル) |
|---|---|---|
| 20% | 400% | 4.20 |
| 25% | 300% | 3.36 |
| 30% | 233.3% | 2.80 |
| 35% | 185.7% | 2.40 |
| 40% | 150% | 2.10 |
マークアップ率 =(1 ÷ 原価率 − 1)× 100%。販売価格 = 原価 ÷ 原価率。
家賃と人件費で1杯の本当のコストはどう変わるか
固定費は売れた杯数で割り振られます。小さなカフェが家賃、人件費、水道光熱費などの経費に毎月9,000米ドルかかるとします(例であり、相場ではありません)。1日120杯、月3,600杯なら、材料費に加えて1杯あたり2.50米ドルの負担です。1日60杯なら1杯あたり5.00米ドルになり、4.50米ドルのカプチーノでは費用をまかなえません。材料は何も変わっておらず、変わったのは客数だけです。
損益分岐点は、固定費を1杯あたりに残る金額(販売価格 − 材料原価)で割って求めます。4.50米ドルのカプチーノの材料原価が0.84米ドルなら残りは3.66米ドルで、9,000 ÷ 3.66 ≈ 2,459杯、1日あたり約82杯です。税金やカード手数料は税制や銀行の条件によって変わるので、税理士に確認してください。
カフェで知らないうちにお金が消えていく場所
計算ツールが示すのは理想的な1杯です。1日120杯、そのうち100杯がミルク入りのカフェで、上の例の価格を使うと、ピッチャーに残るミルク、朝のグラインダー調整、スタッフドリンク、18gのはずが20gになっている粉の量、期限切れのミルクなどで、月に約360米ドル、レシピ上の原価の約12.5%が上乗せされることもあります。粉は毎回量り、ピッチャーに目盛りを付け、スタッフドリンクのルールを決め、廃棄は理由とともに記録し、棚卸しは少なくとも週1回行いましょう。
Ordoで毎日の原価を見える化する
Ordoはコーヒーショップや小さなカフェ向けのPOSレジで、レシピ連動の在庫管理が組み込まれています。各商品に使うコーヒー、ミルク、シロップ、カップの量を登録すると、材料ごとの仕入れ価格からレシピ原価を計算します。新しい価格で納品があると、材料の原価は手元の在庫と新しいロットの平均になります。販売のたびにレシピどおり材料を差し引き、その時点の原価を記録するので、過去のレポートが後から変わることはありません。ドリンクのサイズには分量の倍率を設定できます。
廃棄や在庫の修正には理由の入力が必要で、棚卸しをすると実際の在庫と理論上の在庫の差がわかります。ダッシュボードでは任意の期間の材料原価、粗利、粗利率を確認でき、売上のエクスポートでは商品別に分けて見られます。Ordoは1店舗あたり月額1,990 KGS(約23米ドル)で、すべての機能と台数無制限の端末が含まれ、最初の14日間はカード登録なしで無料です。Ordoのレシートは税務用の認定レシートではありません。認定レジや電子インボイスが義務づけられている国では、その代わりにはならず併用する形になります。
計算ツールの使い方
計算ツールはこのすぐ下にあり、例の数字が入っています。豆の価格と1杯の量、ミルクの価格と量、カップと小物の費用、販売価格を入力してください。ラフや植物性ミルクのドリンクなら、クリームや代替ミルクをミルクの欄に入れ、シロップや砂糖はカップの欄に足してください。
コーヒー1杯の原価計算
よくある質問
コーヒー1杯の原価はどう計算しますか?
材料ごとに1kgまたは1Lあたりの価格を1000で割り、1杯に使うグラム数またはミリリットル数を掛けます。それを合計し、カップ、フタ、小物の費用を足します。
カプチーノ1杯の原価はいくらですか?
仕入れ価格とレシピによります。豆が1kgあたり25米ドル、粉18g、1Lあたり1.20米ドルのミルクを200ml、カップ類0.15米ドルなら、0.84米ドルです。このページの計算ツールにご自身の数字を入れてみてください。
家賃は1杯の原価に含まれますか?
含まれません。1杯の原価は材料と消耗品の費用です。家賃、人件費、水道光熱費は固定費なので、月の販売杯数で割るとドリンクのトータルコストと損益分岐点がわかります。
マークアップ率と原価率の違いは何ですか?
マークアップ率は販売価格が原価をどれだけ上回っているかを原価に対する割合で表したもの、原価率は販売価格のうち材料に使った割合です。マークアップ率300%は原価率25%と同じです。
実際の使用量がレシピより多くなるのはなぜですか?
ピッチャーに残るミルク、グラインダーの調整、スタッフドリンク、廃棄、目分量の粉などが原因です。廃棄を理由とともに記録し、定期的に棚卸しをしてレシピ上の使用量と比べると差が見えてきます。
計算ツールは無料ですか?
はい。登録なしで何度でも使え、入力した内容はどこにも送信されません。
出典
- T—J(Tinkoff Journal):コーヒー1杯の価格の内訳(ロシア語) — 確認日 2026-10-29
